歯が無い
「奥歯が抜けてしまってうまく噛めない」「見た目が気になって人前で笑えない」
何らかの理由で歯を失い、そのままにしていいのか悩んでいる方はいらっしゃいませんか。親知らずを除くと大人の永久歯は28本あり「1本くらい失っても平気だろう」と軽く考えてしまう方も少なくありません。
しかし、28本の歯にはそれぞれ微妙に異なる役割があり、1本1本がバランスよく働くことでお口全体の機能は維持されています。そのため、歯がない状態をそのまま放置することは厳禁です。
本記事では、歯を失う主な原因や放置するリスク、形成される負の連鎖、そして再び快適に噛めるようになるための治療法について分かりやすく解説します。
なぜ歯を失ってしまうのか?主な原因
歯がない状態になってしまう背景には、いくつかの原因があります。成人が歯を失う二大原因は歯周病と虫歯だと言われています。
歯周病
歯と歯肉の間にある歯周ポケットに細菌が入り込み、炎症を起こすことで進行します。症状が重くなると歯を支える骨が溶かされ、最終的に歯が抜け落ちてしまいます。初期段階では自覚症状がないまま静かに進行するため注意が必要です。
重度の虫歯
虫歯が神経にまで達し、歯の根元まで腐敗が進んでしまうと、歯を残すことができず抜歯せざるを得なくなります。
歯根破折
過去の虫歯治療で神経を抜いた歯は、健康な歯に比べて脆く割れやすくなります。根の先端に炎症が起きたり、強い力が加わって歯の根が割れてしまうことで、歯を失う原因となります。
外傷・先天性欠如など
事故やケガによる強い衝撃で歯が抜けたり、生まれつき歯の数が足りなかったりするケースもあります。
歯がない状態を放置するリスク
歯がない部分をそのままにしていると、お口の中修復が難しくなるだけでなく、全身の健康にもさまざまな悪影響を及ぼします。
かみ合わせが悪くなる
歯は隣の歯と支え合って並んでいます。歯がない隙間を埋めようと、両隣の歯が倒れ込んできたり、噛み合っていた反対側の歯が伸びてきたりします。1箇所でも歯が動くと、お口全体のかみ合わせに悪影響を及ぼします。
見た目が悪くなる
歯がない部分の隙間が目立つだけでなく、かみ合わせの崩れや顎の骨が痩せることによって、頬がこけたり、ほうれい線が深くなったりと、お顔まわりの見た目に直結してしまいます。
顎関節に負担がかかる
今までのかみ合わせが変わってしまうことで、顎の筋肉の使い方が不自然になります。その結果、顎関節に過度な負担がかかり、顎関節症や頭痛、肩こりなどの全身の不調を引き起こす可能性があります。
発音障害を引き起こす
歯の隙間から空気が漏れやすくなり、発音が不明瞭になります。特に”さ行”などの発音に支障が出やすく、会話にストレスを感じるようになります。
胃腸に負担がかかる
歯がないと食べ物を十分に噛み砕けなくなります。咀嚼が不十分なまま飲み込むことで胃腸に負担がかかるだけでなく、噛む回数が減ることで唾液の分泌量も低下し、消化を助ける働きが弱まってしまいます。
歯がない部分を補う3つの代表的な治療法
インプラント治療
特徴
顎の骨にチタン製の人工歯根を埋め込み、その上にセラミックなどの独立した人工歯を装着する治療法です。
メリット
- 天然歯とほとんど変わらない強い力でしっかりと噛める
- 周囲の健康な歯を一切削る必要がない
- 噛む刺激が骨に伝わるため、顎の骨が痩せるのを防ぐ
デメリット
- 健康保険が適用されないため費用が高額
- 人工歯根を埋め込むための外科手術が必要
- 骨とインプラントが結合するまでに比較的長い治療期間(数ヶ月〜)がかかる
ブリッジ治療
特徴
歯がない部分の両隣にある健康な歯を削って土台にし、橋を架けるように連結した人工歯を被せて固定する治療法です。
メリット
- お口の中に固定されるため違和感が少なく、比較的しっかり噛める
- 健康保険が適用できるプランであれば、費用を低く抑えられる
- 外科手術が不要で、治療期間も比較的短い
デメリット
- 土台にするために、両隣の健康な歯を大きく削る必要がある
- 歯がない部分の負担も土台の歯が支えるため、周囲の歯の寿命を縮めやすい
入れ歯治療
特徴
取り外し式の人工歯を装着する治療法です。部分入れ歯の場合は金属のバネで周囲の歯に固定し、総入れ歯の場合は床(しょう)と呼ばれる土台をお口の粘膜に吸着させます。
メリット
- 外科手術が不要で体への負担が少なく、ご高齢の方でも安心して受けられる
- 保険適用から自費診療(金属床やノンクラスプデンチャーなどの精密入れ歯)まで、幅広い選択肢がある
- 治療期間が比較的短く、修理や調整も行いやすい
デメリット
- 噛む力が天然歯の2〜3割程度に落ち、硬いものが食べにくくなることがある
- 装着時の違和感や、保険適用の場合は金属のバネが見えてしまうことがある
オールオン4(All-on-4)
特徴
多くの歯、またはすべての歯を失ってしまった場合に、最小4本のインプラントで片顎すべての人工歯を一塊のブリッジとして固定する特別なインプラント治療法です。
メリット
- 埋入する本数を最小限に抑えられるため、費用や体への負担を大幅に軽減できる
- 手術当日に仮歯を装着できるケースが多く、すぐに食事や会話を楽しめる
- 骨が少ない場所を避けて斜めにインプラントを埋入できるため、大掛かりな骨造り手術を回避しやすい
デメリット
- すべての歯、またはほとんどの歯を失っているケースが適応となるため、残せる健康な歯が多い場合には向かない
- 高度な技術と事前の精密なデジタルシミュレーションが不可欠なため、対応できる医療機関が限られる
歯を失わないために定期検診を受けましょう
歯の喪失を回避するためには、日々のセルフケアに加えて歯科医院での定期検診が欠かせません。定期検診では、お口の基本的な検査や、専用器具を用いたプロフェッショナルなクリーニング、正しいブラッシング指導を行います。
もし異常があっても早期発見・早期治療が可能になるため、症状が重くなる前に歯を守ることができます。
よくある質問
奥歯は食べ物をすり潰し、かみ合わせの安定を保つための重要な役割を担っています。見えないからといって放置すると、隣の歯が倒れ込んだり、前歯に過剰な負担がかかったりして、連鎖的に他の歯まで失う原因になります。早めの治療をおすすめします。
患者様の顎の骨の状態、残っている歯の健康状態、ご予算、治療期間のご希望などによって最適な治療法は異なります。当院では精密な検査を行った上で、それぞれの治療法のメリット・デメリットを分かりやすくご説明し、患者様ご自身に納得して選んでいただけるようサポートいたします。
歯を失ってお悩みの方は、お早めにご相談ください
歯がない状態は、放置すればするほどお口の中の環境が悪化し、治療の選択肢が狭まったり、大掛かりな処置が必要になったりしてしまいます。
「最近噛みにくい」「抜けたままにしている歯がある」という方は、ぜひお早めに当院の無料カウンセリングへお越しください。患者様一人ひとりに寄り添い、再びしっかりと噛める、自信に満ちた笑顔を取り戻すための最適な治療計画をご提案いたします。
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監修者情報
歯科医師
平沼 伸知
Shinji Hiranuma